2008年09月15日
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神田川突入回避の超テクニック! 下水道台帳で分かった下水道「井の頭幹線」のウルトラC経路!!

Written By: 川俣 晶連絡先

 下高井戸付近の神田川北岸に沿って、立派な道路が存在します。これは、過去の航空写真と照らし合わせると、どうやらかつての神田川の支流にほぼ相当する経路に存在する道路らしいことが分かります。

 永福通りと井の頭線の間で、この経路を図示してみます。(以下、地図上のラインはかなりいい加減であることをお断りしておきます。おおまかなイメージを把握する手助け以上の効能はありません)

 これより、以下のことを推測していました。

  • この道路の地下には管が埋まっているに違いない。おそらく下水管だ。しかも、かなり立派な管だ

 しかし、そう考えると1つだけ不可思議なことがあるのです。

 問題の箇所をアップにしてみます。

 見ての通り、F点で支流跡は神田川にはみ出してしまいます。

 支流が神田川にはみ出すとは、そこで合流していたのではないか?と思った人は外れです。神田川の流路を付け替える前は、神田川の流路はもっと違っていたのです。ここを流れてはいなかったのです。そして、流路を付け替えた時に、支流だった土地に食い込んでしまったわけです。

 さてここで問題です。

 道路の下に立派な管が埋まっているとしたら、その管は神田川に合流するしかありません。しかし、下水管が合流しているようには見えません。そもそも、汚水を神田川に流すことはあり得ない話でしょう。神田川には鯉やカモが生息しているのです。

 そして、その先の支流跡に管は継続できないことになってしまいます。

 つまり、疑問は以下の通りです。

  • 道路の下に下水管があったとしたら、それはどこに行ってしまったのか

下水道台帳の答え §

 まず、この道路の下には確かに「井の頭幹線」と呼ばれる主要な下水道が存在することが分かりました。

 そして問題の箇所の「井の頭幹線」の経路は以下の通り。

 なんと、一般人の敷地(と推定される。上は竹林らしい)の地下をショートカットして、神田川への突入を回避しています。

 これはびっくり!!

 地下の世界は何でもありあり!!

感想 §

 このあたりは何度も歩いたことがあります。

 神田川沿いに歩いた回数は数えきれません。

 その際に、ショートカット経路の上にある竹林は何回も見ています。

 疑惑を持ったのは、そこから横に入ってこの周囲を歩き回ったときです。

 しかし、まさか地下にこのような秘密があろうとは!!

 下水道台帳を調べて発見したトップクラスの面白い話題です。

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